今日はMIDIの機能の中にある、オーバーラップを解消(モノ)(ポリ)と重複ノートを解消に的を絞って解説、検証、紹介をして行きます。
オーバーラップを解消(モノ)
オーバーラップを解消(ポリ)
オーバーラップとは前のノート終わりと、次のノート始まり(発音)のタイミングが重なる、あるいは、次のノート始まりよりも前のノート終わりが後にある場合の事を言います。
動画で見るとすぐに解ります。
前のノートを長くして、次のノートの中で終わるようになっています。これがオーバーラップです。
このオーバーラップ時にノートの発音や長さに影響を与えます。
上の動画では、1つ目のノートが2拍、2つ目ノートが1拍の長さをもっています。
しかし、1つ目がノートがオーバーラップをしたことで、2つ目のノートは半拍しか鳴りません。これがMIDIデータ特性です。
オーバーラップによる発音問題を解決するのが、今回のオーバーラップを解消(モノ)とオーバーラップを解消(ポリ)になります。
オーバーラップの解消は、次のノート発音があるタイミングまで前ノートを短くするものです。モノの場合は、同音のみのを認識してオーバーラップを解消します。ポリの場合は、音程が違うものも発音タイミングとして認識して前ノートを短くしてくれます。
オーバーラップを解消(モノ)
ノートをオーバーラップさせて、オーバーラップを解消(モノ)を適応すると、同一ノートの、前のノート発音が次のノート発音の前に来るように短くなっているのがわかります。
オーバーラップを解消(ポリ)
ノートをオーバーラップさせて、オーバーラップを解消(ポリ)を適応すると、音程が違うものも発音タイミングとして認識して、前のノート発音の全てが次のノート発音の前に来るように短くなっているのがわかります。
同一ノートのオーバーラップはピアノロール上ではなかなか見分けられません。次のノートが短く切れてしまうといったエラーが発生するのは、ノート終わり(ノートオフ)がそれに隠れている可能性があるのです。
オーバーラップを解消(モノ)とオーバーラップを解消(ポリ)はそうした問題をいっきに解決してくれます。
オーバーラップを解消(モノ)の使用例は同一ノートが連続する場面でノートがノート終わり前に切れてしまうエラーが発生する(切れるのが気になってしまった)時です。
ピアノでMIDI一発録りをした時はオーバーラップ(モノ)は必要ありません。オーバーラップは発生しません。パンチインやパンチアウトのタイミングでは同音のオーバーラップが発生するので、その部分だけに適応していきましょう。
マウス等で入力した際も、切れるのが気になるところは、オーバーラップしていることがあるので、チェックしてみてください。
オーバーラップを解消(ポリ)の使用例はコードの変わり目をしっかり付ける必要があるMIDI音源の入力に有効です。
Cubase Tips #45【ExpMap】Ample sound Ample Guitar Ⅱ T,L,M,12Sのエクスプレッションマップ
で紹介したギター音源の場合、コード指定をして鳴らす音を決めるモードあります。このような打ち込みをする場合はオーバーラップを解消(ポリ)が非常に有効です。
オーバーラップを解消(モノ)とオーバーラップを解消(ポリ)はオーバーラップを解消するものなので、コードのように同一タイミングで鳴っている音に対しては何もしません。
これは、同一ノートにおいても同じです。
同じノートを重ねてからオーバーラップを解消(モノ)を適応すると、下に隠れたノートの長さ0になりますが、存在しており、これがエラーの原因となり発音やコード認識がおかしくなる場合もあります。
ここで登場するのが重複ノートを解消です。
重複ノートとは同じ音程の音が、同じタイミングで発音されているものです。
重なってしまうと、Cubaseのキーエディター上では1音にしか見えません。
しかし、リストエディターで見るとしっかり2音あるのがわかります。これが重複ノートです
ノートは後から重ねたもの(新しい情報)が下に隠れます
言い換えれば、先に置かれえいたもの(古い情報)が見えている状態を維持します。
先に説明したオーバーラップを解消は重複ノートを消すことのできません。適応をすると下に隠れたノートは長さ0になり存在し続けます。
この隠れってしまったノートを消すのが重複ノートを解消です。
重複ノートを解消の動作を実際に見てみましょう。
重複ノートを解消を適応すると上に重なっているノートが消え、下に隠れているノートが残ります。
言い換えれば上に重なっていたノート(古い情報)を消し、一番最後に置いたノート(新しい情報)を残すという事になります。
この重複ノートを解消は本当に様々な時に使える優れものです。重複ノートによるエラーの解消はもちろんです。それに加えてCCコントロールデータの削減も行ってくれます。
同一CCが同一の値で連続している場合、同一の値の後のデータを消してくれます
重複ノートを解消はノート以外のイベントの重複も解消してくれる優れものです!
ここまで、読んで頂きありがとうございます。前回のポリフォニー発音数を制限の検証も合わせてもう少し続けて行きましょう。
Cubase Tips #56【機能】MIDI ポリフォニー発音数を制限 の活用 Restrict Polyphony
鳴らしたいものが1音の場合は、オーバーラップを解消(モノ)+重複ノートを解消 ≒ ポリフォニー発音数を制限 を「1」で適応
ポリフォニー発音数を制限
一番最後に置いたノート(新しい情報)を消し、上に重なっていたノート(古い情報)を残すという事になります。
このオーバーラップを解消(モノ)とオーバーラップを解消(ポリ)そして重複ノートを解消 ポリフォニー発音数を制限はどのDAWソフトの中に入っている機能だと思います。
今回検証してみ、私は(古い情報)(新しい情報)のどちらが消えていたかを初めて知りました。
もしかしたら、DAWによって消え方が違うかもしれないですね。さらには、Cubaseのバージョンによっても異なっているかもしれないです。
文字で解説すると、とにかくややこしいですね。書いていて思いました。
最後に、オーバーラップを解消(モノ)とオーバーラップを解消(ポリ)そして重複ノートを解消 ポリフォニー発音数を制限といったノート情報を消す機能は適材適所に使っていきましょう!
いい感じに鳴っているものにかけなくても大丈夫です。データとしてはかなりエラーが多いものであっても、そのデータから鳴っている音が素晴らしければそれでOKです。
私も経験があります。知らぬ間に重複ノート(多分コピーミス)になっていた、Kickが意外といいアクセントになっていたこと。
オーバーラップしたシンセリードがノートの途中で切れたようになっていたけど、意外にリバーブとディレイでの伸びてていい感じの休符になっていた。
オーバーラップや重複ノートで思わぬフレーズや効果が生まれる事も多々、結構ありますので、その辺も踏まえてうまく使って行きたい機能ですね。
私自身、このブログを書くまで、これらの機能をかなり感覚的に使っていました。が、文字化することで、それぞれの役割がより明確になります。
あなたもこれらの機能をうまく使って、思い通りにMIDI音源を鳴らして、音楽制作を楽しんでください。