Cubase Tips #40【ExpMap】エクスプレッションマップの命名規則と動作検証!!


最近、沢山のエクスプレッションマップExpressionMapを配布しましたが、ご活用頂けているでしょうか?今日はエクスプレションマップを大量に使う時の注意点対策をお伝えします。

今回は、3つの検証を行いつつ、エクスプレッションマップの動作を確認していきます。

アーティキュレーション名を統一して音源移動できるようにしておく!

 1-1.移動先のトラックに同じアーティキュレーション名がない場合

 1-2.アーティキューション名の大文字と小文字の違いは許容されるか?

 1-3.「名前」「アーティキューション名」「内容」の違いはどこまで許容されるか?

 

アーティキュレーション名を統一して音源移動できるようにしておく!

エクスプレッションマップを使っているトラック内のイベントを別のトラックに移したときに、元のエクスプレッションマップの情報はどうなってしまうか!というところに、焦点を当てて行きます。

1-1.移動先のトラックに同じアーティキュレーション名がない場合

上の画像のデータはViolin1に打ち込んだノートとエクスプレッションマップになります。これをFlute soloに移動してみます。下の画像が移動後になります。

Flute soloのエクスプレションマップ内には存在しない「Spiccato」は消えていることがわかります。

このように、エクスプレションマップ内に同一のアーティキュレーション名がないものは、データが消える仕様になっています。では、本当に消えているのでしょうか?という疑問が出てきます。そこで、このFlute soloにもっていったイベントを再度Violin1に戻してみましょう。

「Spiccato」が復活しています。これからわかることは、データとしては残っているが、置き換える対象がないため、消えてしまっていた(見えなくなっていた)ということです。この動作はダミーでエクスプレッションマップを入れておくことで、対策ができます。先ほどの「Spiccato」でいうと、「Spiccato」をFlute側にも入れておいて、キースイッチの割り当ては「staccato」にしておく。ことで、ある程度近い雰囲気にはなるかと思います。この辺りの、割り当てはあなたが扱い易いように入れておきましょう。私の場合は、同一楽器のものだけダミーデータを入れるようにしています!

 

私が実際にダミーデータを使っているエクスプレッションマップはSpitfire StringsからLA Socring Stringsにイベントを移動(コピー)する時です。

LA Socring Strings (LASS)のエクスプレッションマップにはLong(Susutain)が存在しないため、Legatoと同じキースイッチを割り当て、Longのアーティキューションを作っています。こうすることで、アーティキュレーションデータが消えて、切り替わらないことを防げます。

 

2019年12月10日追記

データとしては残っているが、置き換える対象がないため、消えてしまっていた(見えなくなった)データを確認する方法を教えて頂きました。

リストエディターの左側の情報内容の部分を広げることで、エクスプレッションマップExpressionMapのコメントを確認・編集できます。

エクスプレッションマップExpressionMapの動作がおかしい時は、リストエディター上で確認してみてください。

見えないエクスプレッションマップデータが入っていることもあるかもしれないので消しておきましょう!

 

こちらのリストエディターに関する詳しい説明はこちらのブログにありますので、合わせてご覧くださいませ!

Cubase、Expression Mapとリストエディタ 

eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

http://eki-docomokirai.hatenablog.com/entry/20191210/1575951151

 

 

1-2.アーティキューション名の大文字と小文字の違いは許容されるか?

アーティキューション名が違った場合、そのデータは消えてしまう(見えなくなってしまう)ことは上の検証でわかりました。次に、どの程度の違いまでなら置き換わるのか?というところを見て行きます。下の画像は、「Long」の名前、アーティキューション名、内容を「long」と頭の大文字を小文字に変変えたものです。

上の画像でわかる通り、大文字と小文字の違いも識別されているようです。異なる名称となり、Longのアーティキュレーションデータは消えてしまう(見えなくなってしまう)ことがわかりました。文字列は大文字小文字も含めて完全一致が必要なようです!

 

 

1-3.「名前」「アーティキューション名」「内容」の違いはどこまで許容されるか?

アーティキューション名が違った場合、そのデータは消えてしまう(見えなくなってしまう)ことは上の検証でわかりました。次に、どのテキストの違いまでなら置き換わるのか?というところを見て行きます。下の画像は、「Long」の名前を「long」に変更しております。ここで注目すべきは、アーティキューション名、内容は同じです!

 

上の画像が結果です!うまくイベント移動できていますね。名前が異なっている場合は大丈夫なようです!

 

続いて、「Long」のアーティキューション名を「long」に変更してみましょう!

上の画像でわかる通り、アーティキュレーション名が違うとデータが消えてしまう事がわかります。

 

次に「Long」の内容を「long」に変更だけを変更したものをやってみます。*内容を変更すると名前の連動して変わります!

上の画像からわかる通り、うまくイベント移動できていますね。内容が異なっている場合は大丈夫なようです!

 

アーティキュレーションデータをうまくコピーするのはアーティキューション名を統一しておくことが重要のようです。管理上、名前、アーティキュレーション名、内容は全て同じ名称にしておいた方がわかりやすいと思います。とにかく、エクスプレションマップの命名規則は統一

しておくことが非常に重要だという事がわかりました。

 

最後にもう一つ、一度名前などをいじったエクスプレッションマップを再度、統一した命名規則に戻してから動作確認をしてみた所、イベントコピーがうまくできなくなりました!

このことからわかることは、制作中はエクスプレッションマップの変更は行わないが安全であることもわかりました!今まで、何となく合わせて使ったいましたが、しっかりと自分で動作チェックをすると安心して使えますね。

 

この動作を知っていることで、しっかりと回避することができますね!制作が終わるまでは、作っておいたエクスプレッションマップはいじらないです。

テンプレートなど、最初から多くのエクスプレッションマップを読み込んでいる場合は、定期的にチェックしましょう!トラックプリセットを使って、新規トラックを追加していく方法も回避策の一つです。トラックプリセットはエクスプレッションマップのデータもしっかり記録されるので便利です!素晴らしいです。

 

今後の改良としては、ーティキュレーション名がなくイベント移動で配置できなくなった(見えなくなった)アーティキュレーションデータもエディットできるようにしてもらいたいです。同じアーティキューションのままで、データを入れておいてもらいですね。そしてそれを、複数選択して、奏法指定アーティキュレーションデータの切り替えをキーボード↑↓」で出来ればいいなっと思います。ピアノロールに入っているキースイッチと同じ感覚でエディットできるのが理想です!Steinbergさんの今後のアップデートにも期待しております。

 

以上、エクスプレッションマップを使っていく上での、注意点をお伝えしました。とても便利な機能であることは確かなので、今後もフル活用していきたいですね。このような動作も含めて、あなたの制作にうまく取り入れ、作業効率をUPして頂ければ幸いです。

先日の10.5バージョンアップでマクロウィンドにかなりの改良が入りました。このような細かい部分にも、改良が入りだしているのでエクスプレッションマップの改良が行われることも期待したいです。

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    Cubase Tips #40【ExpMap】エクスプレッションマップの命名規則と動作検証!!” に2件のコメントがあります

      1. コメントありがとうございます。リストエディタで確認・編集できること初めて知りました!
        さらに、エディタを横に広げてられること、そこからExpression Mapの内容編集ができることも初見でした!!
        えきさんがおっしゃっているように、イベント移動したもののアーティキュレーションが変わらなかったり、変な動作をすることがありました。今後、リストエディタで確認・編集を試みます!
        今回も貴重な情報ありがとうございました。1人でも多くのCubaseユーザーに情報共有をしていきたいので、今後も「もっとやっていきます!」

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